インド会社設立の流れ

インド会社設立の流れ


2018年1月25日より、会社設立の流れが更に簡素化されました。従来、各取締役の電子署名(DSC)、取締役番号(DIN)などを取得した後でないと会社登記プロセスに入れなかったのですが、現在は全ての手続きを一括して進めることも可能になっています。ただし、一括して手続きを進める場合には、事前に全ての情報・書類を揃える必要がありますので注意が必要です。

会社設立に関しては準備する書類が多く、準備に時間を要します。以下の一連の会社設立の流れを確認して頂き、各ステップを確実に進めていくことが重要です。また、提出書類について公証・認証が必要な書類も多くあるのも注意が必要な点です。

1. 商号申請

会社登記局へ商号の申請を行います。通常は複数候補を用意し、登記局へ提出し審査結果を待ちます。既に商標登録されている場合、類似した商号が存在する場合など、候補が却下された場合にはその理由が明記され連絡がきます。申請に際しては会社登記局の固有商号予約システム(Reserve Unique Name - RUN)を使用します。現在は、一度の申請で申請できるのは最大2つの商号です。

 

尚、候補が却下された場合、15日以内に他の商号候補を提出することが認められています。商号取得が完了すると、会社登記局よりレターが配信され、取得した商号は20日間有効です。

 

尚、本手続きを省略して会社登記プロセスを行うことも可能です。但し、その場合登記プロセスでは、1つの商号しか選択できません。よって、類似の商号が存在しており、登記局側での審査に通らない可能性がある場合には、事前に商号申請を行うことをお薦めします。商号申請が完了すると、SRNという識別番号が発行されますので、その識別番号を会社登記の際に参照します。

2. PAN + DSCの取得

会社設立登記の際に、取締役候補のうち1名のDSC(電子署名証書)が必要となります。また、当該取締役を申請時に会社登記局へ登録する必要があり、その際にPAN(税務基本番号)が必要となります。設立時に必要な取締役は、インド居住取締役も含め最低2名です。居住取締役がPANを保有している場合には、居住取締役のDSCを使用することが可能です。

※設立後、PAN番号と紐づいたDSCを求められることがあるためまずPAN番号を取得し、その後DSCを取得することを推奨します。

3. 会社設立登記

新様式(Form INC-32 - SPICe)は、従来バラバラであった会社設立手続きを統合した様式で、迅速な会社登記が可能となっています。こちらの様式で、会社登記並びにDIN(取締役識別番号)の取得が可能です。尚、DINは設立時に最大3名まで、それ以上の人数にDINが必要となる場合には設立後にDIR-3という様式で新規に取得する必要があります。

 

会社登記登記局へ法人登記の申請を行います。登記の際には登記住所を設置する州ごとに定められた、印紙税を納付し登記を行います。登記完了後、当局より会社設立証明(Certificate of Incorporation-COI)が配信される。このCOIが日本の登記簿謄本のような登記を証明する書類です。

 

尚、2017年4月1日より法人登記と同時にPAN(納税者番号)とTAN(源泉徴収番号)が割り当てられる流れになってており、上述のCOIに記載があります。尚、PANとTANの発行元はインド所得税局となります。

※従前はプラスチックのカード送付がありましたが、現在は電子形式のみの配信となっております。

4. 会社登記住所の届け出

登記完了後30日以内に、会社の登記住所を会社登記局へ届ける必要があります。その際に、公証済の賃貸契約書が必要となります。申請に際しては"Form INC-22"と呼ばれる書式を使用します。

5. 第一回取締役会開催

登記完了後30日以内に、第一回の取締役会を開催することが義務付けられています。本取締役会では、会社設立内容の追認と初年度の監査人を選定します。また、ステップ6・7の申請に必要な決議も合わせて行っておくと、その後の手続きがスムーズです。

6. 銀行口座開設

資本金送金の受け皿となる銀行口座を開設します。銀行口座は、日系・インド系といずれの銀行でも構いません。デリーの場合、日系メガバンク3行(みずほ銀行、三井住友銀行、三菱東京UFJ銀行)が既に支店を開設しており、日本側でも事前に開設準備の対応をしてくれるので便利です。

7. 資本金送金

口座開設後、本社から開設した銀行口座向けにインドルピー建てで資本金の送金を行います。その際、誤って円建てで送金を行うと着金額と当初設定した設立時の払い込み資本金額と差額が発生し、事後の処理が煩雑になりますので必ずルピー建ての送金が必要です。

 

資本金が着金した後に、銀行より発行されるFIRC(Foreign Inward Remittance Certificate)と呼ばれる書類をインド準備銀行宛に提出する必要があります。詳しい手続きはこちらのページからご確認ください。

FIRCの提出方法とは?

8. 株式割当

資本金着金後、RBIへ資本金着金の報告を行い、着金した株式申込金に対し株式を割り当てます。株式割り当てに際しては、取締役会の決議が必要となりますので、着金後再度取締役会を開催する必要があります。

インド会社設立の流れに関してご不明な点がございましたら、以下お問合せからお気軽にご連絡ください。


インド会社設立にかかる期間

会社設立に必要な期間は最短で1ヵ月半程度です。しかしながら通常は申請に必要な書類準備や、公証・認証(アポスティーユ)の取得、原本書類の郵送時間などを織り込む必要があるため、2~3カ月の猶予を見て頂いております。また手続きに要する時間は、インド側の祝祭日の都合によっても変化しますので余裕をもったスケジュールを立案することをお勧めいたします。設立をお急ぎの場合には、その旨お知らせください。

設立手続き 所要期間
1. 商号申請 3日
2. PAN + DSC 申請 2- 3週間
3. 会社設立登記 1週間
4. 会社登記住所の届け出 1日
5. 第一回取締役会開催 招集通知 1週間前、開催1日
6. 銀行口座開設 1週間
7. 資本金送金 2日
8. 株式割当 招集通知 1週間前、開催1日

進出形態による活動内容の比較

インド現地へ拠点を設立する主な選択肢は、駐在員事務所、支店、現地法人、プロジェクトオフィスです。以下にその4つの拠点設立形態の活動内容を比較しました。進出される際に、御社がどのような活動を現地で行いたいのか、もしくは将来的に行う可能性があるのかを考慮し拠点形態を選択することが重要です。インドでは一度設立した拠点の撤退は時間と費用の掛かるプロセスです。御社に最適な拠点形態を提案することも可能ですので、気になる方はお気軽にお問合せください。

  駐在員事務所(Liaison Office-LO) 支店(Branch Office-BO) 現地法人 プロジェクトオフィス(Project office-PO)
活動範囲 親会社との情報伝達・連絡業務など非常に限定的。営業・商業活動は禁止されている。 駐在員事務所よりも、広範囲な活動が可能。営業・商業活動も可。しかしながら製造行為、国内調達した物品の国内販売は禁止されている。 最も柔軟な活動形態。外国直接投資規制に準じる限りあらゆる活動が可能。  特定のプロジェクト、契約の履行の範囲に限定されている。
コンプライアンス負荷 支店と比較した場合、負担小 駐在員事務所よりも負担大 4つの形態で比較した場合、最も負担大 活動ないようによるが、現地法人よりは負担小
収益活動 禁止
利益の還流 なし 配当分配税を支払い後(現地法人負担)、送金可
資金調達方法 本社からの送金

本社からの送金+インドでの収益

資本金+インドでの収益+

借入

本社からの送金+

インドでの収益

アフターセールス活動 不可

責任

無限責任(親会社の責任)

無限責任(親会社の責任)

有限責任

無限責任(親会社の責任)

撤退方法

各種当局からのNOC(異議なし証明書)+RBIからの認可

各種当局からのNOC(異議なし証明書)+RBIからの認可

各種当局からのNOC(異議なし証明書)+

会社登記局からの認可

各種当局からのNOC(

異議なし証明書)+RBIからの認可