物品・サービス税(Goods and Service Tax - GST)アップデートまとめ

物品・サービス税(Goods and Service Tax - GST)アップデートまとめ

2017年7月1日の導入に向けて、いよいよインド政府の動きも本格的になってきている。インド政府側は、税額控除の範囲拡大により最終製品の価格上昇は相当程度抑えられ、実効税率は15%程度になるという見解を発表するも、産業界側ではトータルでのコスト増を見込む意見も多くでておりその最終的な影響は不透明だ。

 

日本企業も大企業を中心として、税コストの試算や物流・商流などへの影響を見積もっている企業も少なくない。ただ、日々当税制に関するアップデート情報のある中で、結論を出すことは容易ではない。本ページでは実務的に必要となる手続きや知識ならびにアップデートされる関連税制情報をまとめていくことを目的として情報を掲載します。本ページが御社事業の一助となれば幸いです。具体的なご質問や疑問がございましたら、お気軽にお問合せページからご連絡ください。

※GST関連情報は日々アップデートされます。必ず具体的な適用に関しては、専門家に相談しながら意思決定を行ってください。


Q1. GSTの税率は?

インドのGSTの税率は、5%、12%、18%、28%の4段階に区分されている。多くの先進国は単一のレートを採用していることと比べると複雑であることは否めないが、過去複数の税種と税率があったことと比べると相当簡素化されたと言える。また、他国と同様に生活必需品、食料品については非課税品目が定められている。また、高級品、嗜好品などについては最高税率の28%が適用される。

 

2017年5月19日のGST委員会にて、協議された結果ほぼ全ての品目に関して税率が決定した。以下、税務当局発表による税率の一覧表である。

Q2. GST登録が必要な企業とは?

GST登録が必要かをチェックするポイントは以下の2点です。

  1. 課税対象となる物品又はサービスの提供を行っているか?
  2. 当該税務年度(4月1日~3月31日)の年間売上高が200万ルピーを超えているか?

尚、自社の提供する物品又はサービスの税率は上述Q1のリンク先より確認頂けるので、課税対象となるかはそちらから確認されたい。1についてはほぼ全ての企業が該当すると考えられることから、登録が必要ない企業とは2に該当しない企業と考えられる。例えば、設立初年度などで当該期間の売上が下回る場合などである。

Q3. 自社商品・サービスの分類方法は?

GSTでは、物品は統一分類システムコード(Harmonized System of Nomenclature Code)いわゆるHSコードで分類される。自社の取り扱い商品がいずれのHSコードに分類されるかを把握し請求書に記載する必要がある。分類の詳細についてはQ1を参照されたい。

 

尚、年間売上規模に応じて請求書への記載桁数の要求レベルが異なっている。詳細は以下の通りであるが大多数の企業は4桁のコードを記載する必要がある。

<要求桁数>
4桁:5,000万ルピー以上
2桁:1,500万ルピー以上、5,000万ルピー未満
必要なし:1,500万ルピー未満

 

またサービスについては従来のサービス税で使用されていたサービス会計コード(Service Accounting Code - SAC)が採用されている。

Q4. GST請求書の発行方法とは?

GST法下での請求書発行手順は、物品の供給とサービスの提供の2種類に分類できる。各請求書には、GSTポータルサイトより発行される請求書参照番号を記載する必要がある。請求書参照番号は、Form GST INV-1をポータルサイトにアップロードし取得する。


<物品の供給(Supply of Goods)の場合>
物品の供給の際には、3部の請求書を作成する。

  1. 原本(購入者用)
  2. 原本写し(輸送業者用)
  3. 原本写し(販売者用)

<サービスの提供(Supply of Services)の場合>

サービスの提供の際には、2部の請求書を作成する。

  1. 原本(購入者用)
  2. 原本写し(販売者用)

尚、当該年度に発行した請求書の通し番号は、Form GSTR-1を提出し、税務当局へ報告する必要がある。

Q5. GSTの納付期限は?

当月分を翌月20日迄に納付しなければならない。

例:3月分を4月20日までに納付

 

現在、各種間接税の納付期限が翌月5日など月初に集中していることから比べると、随分と余裕がでる。企業の会計処理としては、月末締で、TDS(源泉徴収税)を7日までに納付しその後会計報告なども行ってから最後にGSTの納付を行うという順序になるだろうか。

Q6. 3種のGSTとは?

インドのGSTの特徴の一つとして、3種のGSTが存在している。他国では単一のGSTを運用していること一般的であるが、インドでは従来中央政府と州政府がそれぞれ徴税権を持つ10以上の間接税が統合される形でGSTが誕生したため、既存の中央政府と州政府という区分を残した形でのGST制度が構築されている。ただ、運用上はそれぞれ税額控除可能な範囲を広げ、州を越えての取引もしやすくなるような仕組みが導入された。3種のGSTの区分は以下の通りとなっている。

  1. 統合GST(Integrated GST - IGST):州又は国境を超える物品・サービスの提供に対して課せられる
  2. 中央GST (Central GST - CGST):州内での物品・サービスの提供に対して課せられる
  3. 州GST(State GST - SGST):州内での物品・サービスの提供に対して課せられる

尚、IGST = CGST + SGSTという関係が成り立ち、CGSTとSGSTは同じ税率で課せられる。