インドでの支店設立方法とは?

インドでの支店設立方法とは?

外国法人の駐在員事務所、支店、プロジェクト事務所の開設が、外国為替管理法(Foreign Exchange Management Act - FEMA)のもと認められている。また、管轄当局はインド準備銀行(RBI)となる。通常の会社(内国法人)設立は、会社法と会社登記局が管轄しているのとは異なる手続きであることに注意。

インド準備銀行は、現在その設立手続きの認可手続き権限を外国為替の公認取引銀行(AD Bank)へ委譲しており、開設手続きはAD Bank経由で行う。つまり、開設前に予め口座開設予定のAD Bankを決定し、当該銀行経由でインド準備銀行への書類提出手続きを行う。開設の流れは以下の通りである。

 

現地法人と比較した場合の、支店の特徴やメリット・デメリットはこちらの記事を参照されたい。
=> 支店・現地法人の比較7つのポイント


1. 支店開設要件を満たしているかの確認

支店の活動は基本的に親会社からの外国送金によって賄われることから、設立に際しては親会社の収益実績並びに純資産の要件が課せられている。満たす必要のある要件は以下の通り。

  • 親会社が直近5期連続黒字であること
  • 純資産USD100,000以上

万が一上記要件を満たすことができない場合、RBIからの認可が下りる可能性が低くなるが、申請すること自体は可能である。設立後5年以内の会社や、1期のみ偶発的な事象により決算が悪化している場合などには個別の説明により申請が許可されることもある。また、ホールディング会社など最終的な親会社が存在する場合には、その最終的な親会社が保証することにより認められる場合もある。

2. 支店開設申請書(Form FNC)の提出

以下の書類をAD Bank経由でインド準備銀行へ提出し、個別の承認番号(Unique Identification Number - UIN)を取得する。ここでの親会社とは支店設立を行う本国外国法人を指す。

 

<提出必要書類一覧>

  1. Form FNC
  2. 親会社の直近5期の監査済み財務諸表(要公証・認証)
  3. 親会社の支店設立を承認する取締役会決議書(要公証・認証)
  4. 親会社の取締役一覧(要公証・認証)
  5. 親会社の登記簿謄本と英訳(要公証・認証)
  6. 取引銀行発行の銀行レポート
  7. 親会社の保証状(Letter of Assurance, 要公証・認証)
  8. 銀行とのやりとりを代行するものへの委任状(要公証・認証)

支店開設の承認が下りるまではおよそ3~4ヶ月程度の時間を要する。また、長い場合には6ヵ月程度時間を要する場合もあるので現地での営業開始までは余裕を持ったスケジュールを組む事をお勧めする。

 

3. 銀行口座開設

インド準備銀行から承認が下りた後は、活動資金送金用の口座開設に入る。銀行口座の開設は、上記の支店開設申請書を提出したAD Bankに行うこととなる。口座開設に必要な書類が全てそろえば数日で口座は開設完了するので、インド準備銀行からの承認を待っている期間中に揃えることができる書類はそろえておきたい。

4. 税務登録

支店の業務に必須である、PAN並びにTANの取得を行う。PANは日本でいうところの法人税番号であり、TANはPANに紐づいた源泉徴収の各種申告と照合を行うのに必要な番号である。各々の詳細は以下のページにまとめてあるので詳細を参考にされたい。およそ2~3週間で手続きを完了することができる。
=> PANについて
=> TANについて

5. 事務所代表者(Authorized Representative)の登録

支店の代表者は”Authorized Representative”と呼ばれる。Authorized Representativeは各種届け出や申告を行うのに必要な電子署名(DSC)と、申請を行う際に当人のPANを参照する必要があるためPANも併せて取得する必要がある。Authorized Representativeはインド居住者の方が活動は行いやすいが、必ずしも居住者である必要はない。
=> DSCについて

6. 事務所契約締結

活動拠点となる事務所の賃貸契約を締結する必要がある。事務所の所在地は、インド準備銀行から取得したレターに記載されている地域のみで認められる。よって、Haryana州であればHaryana州内で、距離は近くともDelhiに事務所を設けることはできない。

7. 会社登記局(Registarar of Company - ROC)への設立届出

事務所の賃貸契約締結後、会社登記局へ登記住所を届け出る。会社登記局への届け出は契約締結日より30日以内に行わなければならない。