インド物品・サービス税(Goods and Service Tax - GST)概要6つのポイント

インド物品・サービス税(Goods and Service Tax - GST)概要


GST(Goods and Service Tax)は現行のインドの間接税制を抜本的に改革する新たな税制度。2006年当時のチバムダラム財務大臣が予算発表スピーチの中で2010年4月1日を目標として推進することが発表された。

その後、国民会議派政権からBJP政権への交代などの紆余曲折を経て、争点であったGST導入に伴う憲法改正案が2016年8月に上院で可決された。憲法改正はGST導入に際して州政府が従来所轄していた間接税の徴税権を中央政府に移管するために必要な手続きである。憲法改正案はその後過半数以上の州にて批准され、大統領の署名を経て発効済。

現在は2017年4月1日導入に向けて厳しい調整が続いている。現在の争点は、GST委員会からの最終税率の提言。特に物品については0%~28%の税率が設定される予定でいずれの物品にいずれの税率を適用するのかの駆け引きが行われている。

以下内容はモデル法案に基づいており、正式な法案可決後に一部内容につき修正が入る可能性があることを予めご了承ください。最新の情報につきましてはお問合せください。

以下、別ページのまとめもご参照ください。
インド物品・サービス税(Goods and Service Tax - GST)運用7つの基本理解
インド物品・サービス税(Goods and Service Tax - GST)アップデートまとめ


1. GSTに統合される税金

現行の各種間接税は、下表の通りGSTへ統合される。

中央政府管轄 州政府管轄
中央物品税(Central Excise Duty)  各州VAT
医療・トイレ整備にかかる物品税(Duties of Excise) 中央販売税(Central Sales Tax)
特別重要物品にかかる追加物品税(Additional Duties of Excise) 奢侈税(Luxury Tax)
織物・織物製品にかかる追加物品税(Additional Duties of Excise) 入境税(Entry Tax) ※市町村単位で課される以外の税
相殺関税(Countervailing Duty) 遊興税(Entertainment & Amusement Tax)
特別追加関税(Special Additional Duty) 広告税
サービス税 購買税(Purchase Tax)
サーチャージ・特別目的税(Cess) 宝くじ、賭博、ギャンブルにかかる税
  サーチャージ・特別目的税(Cess)

2. GST導入によって期待される効果

  • 物品・サービスの区別の明確化され、訴訟・二重課税が軽減する
  • インド全土を包括する税制が導入され、市場規模が増大する
  • 税務手続きが簡素化され、物流を迅速になる
  • 複数の税が統一され、二重課税が撤廃される ⇒ 結果消費者価格の引き下げへ
  • 多数の税率が削減され、少数の税率でより少ない例外規定での運用
  • 輸出を促進する税制の簡素化
  • 雇用促進

3. GST導入スケジュール

従来、GST委員会からの提言が11月・12月の冬季国会中に提出され、会期中にGST法案が可決する見込みであったが最終的に間に合わなかった。次回は1月の予算国会にてGST法案の審議が予定されている。その後各州政府での立法措置を経て2017年4月1日のGST施行を予定しているが、スケジュール的に非常に厳しくなっている。現行の間接税法案が2017年9月16日に廃止となることからそれまでにGST法案を施行させるという、スケジュールが現実的と言われ始めている。

  • 2017年1月 予算国会にてGST法案を承認 ⇒ その後各州政府でGST法案を立法措置
  • 2017年1月     トライアル
  • 2017年4月1日 GST施行開始予定

4. GSTの登録が必要な取引・企業

  • GSTに統合予定の税金の既存の納税企業
  • 全インドで年間取引額が200万ルピーを超える企業
  • 州を越えてモノ又はサービスを提供する企業
  • 一時的にインド国外からモノ又はサービスをインド国内に提供する企業
  • 上記要件を満たさないものの自発的に登録する企業
  • その他規定される特定企業

5. GSTの登録方法

  • GSTの税務登録を行うことにより、個別企業の識別番号として機能する。
  • 個人・法人問わず全てのGST関連の取引を紐づけることを目的とし、例えば仕入れの税額控除を受ける側と支払い企業の取引を紐づけることが可能。
  • GSTの登録番号はPAN番号をベースにした15桁の識別番号を導入(つまりGST登録にはPAN番号取得が必須)
  • 取引開始から30日以内に登録が必要
  • 登録後3日でみなし登録(Deemed approval)が完了
  • 複数州で活動を行う企業は、州毎の登録が必要(申請は一括で可能)
  • GSTに統合予定の税金に登録済の企業は、GSTのポータルサイトからオンラインで既存税務番号を移管可能
  • 農業従事者は登録の対象外とする

6. GSTの納付期限

  • 支払い対象月の翌月20日までとする
  • 3月分の納付期限も他の月と同様、4月20日となる
  • 納付方法は、現金(1万ルピー以下の少額納税者のみ)含め、口座引き落としなどで支払い可能
  • 納付受付時間は午前0時から午後8時まで